インドネシア進出・会計・税務の日本語ガイド【2026年版】
これからインドネシアで会社をつくる方、日系企業の現地法人で会計と税務を日本語で回したい方のための入口のページです。2025〜2026年に大きく変わった制度を、出典つきでまとめています。
最終更新:(制度は公式資料・法令で確認)· PT KAZENA GLOBAL BUSINESS
2026年に押さえておくこと
- 外資の会社(PT PMA)の最低払込資本金は、2025年10月から25億ルピアに下がりました。ただし「投資計画100億ルピア超」の要件は残っています。
- 日本人が働くには、会社が外国人雇用計画(RPTKA)の承認を受け、就労ビザ E23 から滞在許可(KITAS)を得るのが基本です。旧制度の IMTA はもうありません。
- 投資家ビザ E28A は、本人の株式が100億ルピア以上ないと使えません。25億ルピアで設立した会社の株主は、通常は対象外です。
- 税金は2025年から Coretax で納めます。月次の納付は翌月15日、PPh の申告は翌月20日、PPN の申告は翌月末です。
- 帳簿はインドネシア語・ルピアが原則です。英語や米ドルで付けるには、税務署の許可が要ります。
- 日本語で相談できる場所が少ないので、私たちが無料の日本語相談窓口を開いています。
テーマ別のガイド
会社設立(PT PMA)2026年版
最低資本金25億ルピアへの改正、株主・役員の要件、設立の流れ、駐在員事務所との違い。
就労ビザ・KITAS
RPTKA・E23・E28A の関係、政府手数料、更新、永住許可、税務上の居住者。
税務カレンダー(毎月・四半期・毎年)
Coretax 以降の納付と申告の期限、LKPM、年次申告を一覧に。
Coretax とは(設定・毎月の流れ)
責任者(PIC)と権限、電子署名、Faktur・源泉徴収票・納付・申告の流れ、XML でつまずく点。
日本語で会計を回す方法
帳簿の言語ルール、会計事務所と社内とソフトの分担、監査が必要な会社。
日本語の無料相談窓口
どこに聞けばいいかわからないことを、日本語でご相談ください。
会社をつくってから毎年の申告までの全体の流れ
インドネシアで会社を始めて回していくまでを、大きく8つの段階に分けました。順番が前後すると、あとで手戻りが出やすい段階です。
- 1
事業と KBLI(事業分類コード)を決める
外資が入れる分野か(現行は Perpres 10/2021、49/2021 で改正)と、どの KBLI で登録するかを決めます。KBLI は2025年版に移行しました。
- 2
出資と資本の計画を立てる
最低払込資本金は25億ルピア、投資計画は KBLI・所在地ごとに100億ルピア超。払い込んだ資本は12か月、会社の口座から動かせません。
- 3
公証人の設立証書と法務省の承認
設立証書(Akta)は公証人だけが作れます。そのあと法務省(AHU)の承認を受けます。
- 4
OSS で事業者番号(NIB)と許認可
オンラインの許認可システム OSS で NIB を取り、事業のリスク区分に応じて標準証明や許可を受けます。
- 5
法人の税務番号(NPWP)と Coretax
法人の NPWP は16桁です。2025年からは税務の手続きをオンラインの Coretax で行います。
- 6
銀行口座と資本の払込
会社の口座に資本を払い込みます。払込から12か月は、事業に必要な支出を除いて口座から移せません。
- 7
日本人が働くための許可(RPTKA → E23 → KITAS)
会社が RPTKA の承認を受け、補償金を前払いし、会社が保証人になって就労ビザを申請します。詳しくは就労ビザ・KITAS のガイド。
- 8
毎月・四半期・毎年の義務
税の納付と申告(Coretax)、投資活動報告(LKPM)、雇用の報告(WLKP)、社会保険(BPJS)、年次申告と年次報告書。期限は税務カレンダーにまとめました。
ネットでよく見る「古い情報」と、2026年の正しい情報
日本語で検索すると、改正前の情報が今でも上位に出てきます。特に間違えやすいものをまとめました。
| よく見る情報 | 2026年10月時点 |
|---|---|
| 外資の会社の払込資本金は100億ルピア | 2025年10月2日から25億ルピア。ただし投資計画100億ルピア超は残る(BKPM 規則2025年第5号) |
| BKPM 規則2021年第4号が現行 | 2025年10月2日に廃止され、BKPM 規則2025年第5号に |
| 資本金25億ルピアなら投資家 KITAS が取れる | 投資家ビザ E28A は本人の株式100億ルピア以上が条件 |
| 就労許可 IMTA を取る | IMTA は廃止。RPTKA の承認が実質的な就労許可 |
| KITAS は C312・C313 | 就労は E23、投資家は E28A |
| LKPM の期限は翌月10日 | 翌月15日(四半期ごと) |
| 税の納付は10日、申告は DJP Online や e-Faktur Desktop | 納付は翌月15日、PPh の申告は20日、PPN の申告は月末。システムは Coretax |
| PPN は11% | 税率は12%。ただし贅沢品以外は課税標準が11/12で、実質の負担は11% |
| 小さな PT は売上の0.5%で納税できる | 2026年4月の改正で、新しく登録する PT は対象外(法人税22%) |
| KBLI は2020年版で選ぶ | 2025年版に移行(分類が変わっただけなら新しい許可は不要) |
日本語で会計と税務を回すために知っておくこと
インドネシアの帳簿は、インドネシア語とルピアで付けるのが原則です。日本の本社が読む報告とは言語も通貨も違うので、「現地の帳簿」と「日本語で読む数字」をどうつなぐかを最初に決めておくと、毎月の負担が大きく変わります。
体制の作り方と、会計事務所・社内・ソフトの分担の例は日本語で会計を回す方法にまとめました。私たちの会計ソフト KAZENA Books は、画面を日本語・英語・インドネシア語で切り替えられます。
このガイドを書いている会社
PT KAZENA GLOBAL BUSINESS は、2022年3月にジャカルタで設立した外資の会社(PT PMA)です。日本人が代表を務め、会計ソフト KAZENA Books などを自社で開発しています。自分たちが設立・毎月の税務・ビザで迷ったことを、同じところで迷う方の役に立つ形で残すために、このガイドを書いています。
このガイドの立場
KAZENA はソフトウェアの会社で、税務コンサルタント・公証人・弁護士ではありません。このページは公開されている法令・公式情報と、私たち自身がインドネシアで会社を運営してきた経験をもとにした一般的な情報です。個別の判断は、資格を持つ専門家にご確認ください。
よくある質問
インドネシアで外資の会社をつくるのに、資本金はいくら必要ですか?
2025年10月2日から、外資の会社(PT PMA)の最低払込資本金は25億ルピアです。ただし事業分類(KBLI)・所在地ごとに投資計画100億ルピア超という要件は残っています。分野別の法律に別の定めがある業種もあります。
日本人がインドネシアで働くには何が必要ですか?
雇う会社が外国人雇用計画(RPTKA)の承認を受け、補償金(1人・1か月 US$100)を前払いし、会社が保証人になって就労ビザ E23 を申請します。入国後に滞在許可(KITAS)を得ます。旧制度の IMTA は廃止されています。
インドネシアの税金の申告はどこで行いますか?
2025年1月から、オンラインのシステム Coretax で行います。月次の納付は翌月15日、PPh 21 などの申告は翌月20日、PPN の申告は翌月末が期限です。
帳簿を日本語で付けてもよいですか?
インドネシアの帳簿は、インドネシア語・ルピアが原則です。外資の会社などは、税務署の許可を得て英語・ルピア、または英語・米ドルで付けられます。日本語の帳簿は認められていないため、日本語で読みたい場合は報告や画面の側で対応します。
日本語で相談できるところはありますか?
KAZENA が無料の日本語相談窓口を開いています。会社として実際に通った経験と公開情報の範囲でお答えし、税務の判断や登記・ビザの手続きが必要なときは、資格を持つ専門家への相談をおすすめします。
出典
- JETRO ビジネス短信:外資の最低払込資本金を25億ルピアに引き下げ(2025年10月)
- Baker McKenzie:BKPM Regulation No. 5 of 2025 の解説(2025年10月)
- 労働大臣規則 2021年第8号(外国人労働者の使用)本文 PDF
- インドネシア入国管理局:就労ビザ E23
- インドネシア入国管理局:投資家ビザ E28A
- インドネシア税務総局(DJP):PMK 81/2024 と Coretax
- MUC Consulting:PMK 81/2024 で納付期限が翌月15日に統一
- DDTC News:PPh 21 の納付・申告の期限
- インドネシア税務総局(DJP):PPN 12% と課税標準 11/12(PMK 131/2024)
- インドネシア税務総局(DJP):PP 20/2026 と0.5%の税率
- インドネシア税務総局(DJP):英語・米ドルでの帳簿の許可
- SmartLegal:BKPM 5/2025 による LKPM の新しい提出期限
- インドネシア中央統計庁(BPS):KBLI 2025 は新たな許認可を必要としない(2026年4月27日)
制度は変わることがあります。手続きの前に、最新の公式情報と専門家の確認をお願いします。
