KAZENAKAZENA

インドネシアの会計を日本語で回す方法:帳簿の言語ルールと、会計事務所・社内・ソフトの分担

日系の現地法人でよく聞くのが「現地の帳簿が読めない」「数字が毎月遅い」という悩みです。ルールで決まっていることと、会社が選べることを分けて整理しました。

最終更新:(制度は公式資料・法令で確認)· PT KAZENA GLOBAL BUSINESS

この記事の要点

  • 帳簿はインドネシア語・ルピアが原則。外資の会社などは、許可を得て英語・ルピアか英語・米ドルで付けられます。
  • 英語・米ドルの許可は、設立から3か月以内、または対象の事業年度が始まる前に申請します。税金の納付はルピアです。
  • 日本語の帳簿は認められていないので、日本語で読みたい場合は報告や画面の側で対応します。
  • 外資の会社に税務の助言ができるのは、許可を持つC級の税務コンサルタントです(PMK 55/2026)。
  • 資産または売上が500億ルピア以上などの会社は、公認会計士の監査が必要です。

帳簿の言語と通貨のルール

インドネシアの帳簿は、インドネシア語とルピアで付けるのが原則です(国税通則法 UU KUP 第28条)。外資の会社(PMA)などは、税務署の許可を得て「英語・ルピア」または「英語・米ドル」で付けることができます。

  • 申請の時期:設立から3か月以内、または英語・米ドルで付けたい事業年度が始まる前。
  • 米ドルで帳簿を付けても、税金の納付はルピアで行います。
  • 日本語での帳簿は、選べる言語に入っていません。

「現地の帳簿」と「日本語で読む数字」をつなぐ

帳簿そのものはインドネシア語(または英語)でも、日本の本社や日本人の経営者が毎月読む数字は日本語のほうが速く正確に読めます。ここをどうつなぐかで、毎月の負担が変わります。よくある形は次の3つです。

体制日本語で読めるもの気をつけること
A:会計事務所にすべて任せる会計事務所が作る報告だけ(日本語対応の事務所なら日本語)数字が出るのが月1回で遅くなりがち。途中の状態が見えにくい
B:社内の経理担当+会計事務所の確認社内で作る報告(言語は担当者による)担当者が替わると引き継ぎが難しい。日本人が自分で確かめにくい
C:日本語でも使える会計ソフト+会計事務所の確認ソフトの画面そのもの(日本語に切り替え)税務の判断と申告の確認は、引き続き資格を持つ専門家に頼む

どの形でも、税務の判断と申告の最終確認は、資格を持つ専門家の仕事です。ソフトは、その前の「毎日の記録」と「毎月の数字」を日本人が自分で見られるようにするためのものです。

会計事務所・税務コンサルタントの選び方(2026年の新しい規則)

2026年8月から、税務コンサルタントの規則が財務大臣規則 PMK 55/2026 に変わりました。会社を選ぶときに確かめたい点がはっきりしました。

  • 税務コンサルタントを職業とする人は、財務大臣の許可が必要です。許可を受けられるのはインドネシア国民だけです。
  • 外資の会社(PMA)に助言できるのは、最上位の C級 の税務コンサルタントです。
  • 税務コンサルタントの事務所も、大臣の許可が必要です。
  • 税務コンサルタント以外の人が会社の代理人になるには、登録(Surat Keterangan Terdaftar)が必要になりました。

依頼する前に、担当者の許可の種類(C級か)と事務所の許可を確かめておくと安心です。

監査が必要な会社

公認会計士の監査が必要になるのは、公衆の資金を扱う会社、債券を出す会社、上場会社、国営企業、資産または売上が500億ルピア以上の会社、ほかの法律で義務がある会社です(会社法 UU 40/2007 第68条)。監査が必要な会社は、監査済みの財務諸表を年次申告に添付しないと、申告していないものとみなされます。

また2026年からは、株主総会で承認した年次報告書を法務省の SABH に出す制度が始まっています。期限と猶予の細部は資料によって説明が違うので、専門家に確認してください。

KAZENA Books でできること

私たちが自社で開発している会計ソフト KAZENA Books は、上の「体制C」のためのものです。画面を日本語・英語・インドネシア語で切り替えられ、AI が領収書・請求書・銀行明細を読み取って仕訳の候補を作り、人が承認します。

  • 財務諸表(試算表・損益計算書・貸借対照表など)を自動で作成
  • PPh 21・PPh 23 など源泉税と給与の計算、BPJS
  • Coretax に取り込むためのデータの書き出し
  • LKPM・WLKP の書類づくり(Compliance プラン)
  • 会計士が確認・署名して提出する、という分担を前提にした作り

料金と詳しい機能はKAZENA Books のページをご覧ください。自分の会社に合うかどうかの相談は、日本語の相談窓口でも受けています。

このページの立場

KAZENA はソフトウェアの会社で、税務コンサルタント・公証人・弁護士ではありません。このページは公開されている法令・公式情報と、私たち自身がインドネシアで会社を運営してきた経験をもとにした一般的な情報です。個別の判断は、資格を持つ専門家にご確認ください。

よくある質問

インドネシアの帳簿を英語で付けてもよいですか?

外資の会社などは、税務署の許可を得れば英語・ルピア、または英語・米ドルで付けられます。申請は設立から3か月以内、または対象の事業年度が始まる前です。

インドネシアの帳簿を日本語で付けてもよいですか?

日本語は選べる言語に入っていません。日本語で数字を読みたい場合は、報告書を日本語で作るか、日本語の画面で見られる会計ソフトを使います。

米ドルで帳簿を付けたら、税金も米ドルで払えますか?

いいえ。帳簿を米ドルで付ける許可を受けても、税金の納付はルピアで行います。

外資の会社が頼む税務コンサルタントに条件はありますか?

PMK 55/2026 では、外資の会社(PMA)に助言できるのは最上位の C級の税務コンサルタントです。依頼する前に許可の種類を確かめてください。

監査は必ず必要ですか?

外資の会社というだけで監査が義務になるわけではありません。資産または売上が500億ルピア以上の会社、上場会社などが対象です(会社法第68条)。ほかの法律で義務になる場合もあるので、専門家に確認してください。

出典

制度は変わることがあります。手続きの前に、最新の公式情報と専門家の確認をお願いします。

ほかのガイド