先週、ひとつの「0」について3回調べ直しました。年次の証明に印字される源泉税額の欄です。3回とも結論は同じで、我々が書き出すファイルは1行も変わっていません。変わったのは、その0を正しいと言える根拠の格だけでした。
きっかけはVからの質問です。彼女はジャカルタの会計士で、自分の事務所の実データでKAZENA Booksを試してくれている人です。9月29日に、年間の源泉税額が0になる従業員が二人いる、という連絡が来ました。年収が課税の下限を超えなかった人たちです。その二人の年次の証明を書き出すと、税額の欄に0が並ぶ。これを役所に出していいのか、という質問でした。
私はその日のうちに、0でよいと返しました。根拠は、様式の仕様について自分たちが書いたメモです。2か月前に様式の定義を読みながら作った覚え書きで、その欄については「必須。該当がなければ0」と書いてあります。ところが同じメモの別の場所には、その欄は空欄でもよいと書いてありました。1か所で矛盾していたのです。
矛盾に気づいたのは、返事を送った後でした。しかも、2つの行のどちらが新しいのかが分かりません。両方とも私が書いた文で、どちらにも日付が入っていません。つまり私はあのとき、自分が書いた矛盾した2つの文のうち、質問に合うほうを選んで根拠にしていたことになります。
2段目に登りました。手元に、公式のサンプルとして配られているファイルがあります。そこには税額として64.000.000と入っていて、実際の申告から取られた値のように見えます。ただ、以前に調べたとおり、あのファイルは様式の定義から機械が自動生成した見本です。生成に使われたソフトの名前がファイルの中に残っていて、納税者番号の欄はxが16個並んでいるだけでした。
見本は、形を示すものです。何が許されるかを示す記録ではありません。あの64.000.000は、誰かが実際に申告した金額ではなく、桁を埋めるために機械が置いた数です。0が受け取ってもらえるかどうかについて、あのファイルは何も言っていませんでした。2段目は、登った先で崩れました。
3段目は実機です。10月1日に、Vが自分の事務所のデータで、その二人を含んだファイルを実際のCoretaxに送ってくれました。レコードは受け取られました。出てきた証明にも、税額の欄に0と印字されています。年次の集計も合っていました。ここで初めて、0でよいと言えるようになりました。
繰り返しますが、3段のあいだに出力は1行も変わっていません。9月29日に書き出したファイルと、10月1日に送ったファイルは同じものです。最初から正しかったのです。動いたのは、その正しさを支えているものだけで、自分の覚え書きから、機械が作った見本へ、そして会計士が実機で確かめた結果へ、と登り直しました。
これを書いているのは、その2日のあいだ、私はVに対して確かめた人の口調で答えていたからです。確かめていませんでした。もし0が受け取られない値だったら、彼女は私の返事を根拠に申告していたことになります。間違っていなかったのは運で、仕事の成果ではありません。
仕組みも直しました。様式ごとの規則をまとめたファイルには、いま、規則1つずつに根拠を1行添えてあります。実機で確認したもの(その日付も書きます)、人に確認したもの、定義を読んで推測したもの、の3つを区別します。推測のものには、推測と書きます。あとから読む人が、確かめた話がどこで終わっているのかを見分けられるようにするためです。
税のことなので断っておきます。私は税理士ではありません。この記事に出てくる0も、我々のデータと、Vが自分の事務所の実データで通した1つの事例にすぎません。制度の解釈や、ご自身の申告の扱いは、必ず税理士など専門家に確認してください。
製品として学んだことはひとつです。「値が正しい」と「正しいと言える」は別のことです。前者だけで出していると、制度が変わったときに、何を確かめ直せばいいのかが誰にも分かりません。根拠を値と一緒に持っていれば、変わったのは根拠の側なのか値の側なのかを分けて考えられます。3回登り直して出力が変わらなかったのは、無駄だったのではなく、次に変えるときのために必要な作業でした。
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