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1つの様式で確かめたことを、5つの様式の規則にしていた

2026年9月30日 · Taro(KAZENA代表)

9月23日の朝に、Vから1行だけのメッセージが来ました。月次の申告用に書き出したファイルに、従業員が一人足りない。彼女はジャカルタの会計士で、自分の事務所の実データでKAZENA Booksを試してくれている人です。エラーは出ていない。警告も出ていない。ただ、事務所の一覧に並んでいる人と、ファイルの中身が合わない。

誰のせいかを調べるまでもありませんでした。2週間前に我々が入れた規則が、その人を出力から外していたのです。不具合ではありません。意図して書いた規則が、意図していない場所まで効いていました。

経緯を書きます。9月8日に、年次の様式を実際のCoretaxに送ったところ、レコードが1件弾かれました。納税者番号の欄が空のままだったからです。番号の無いレコードは、年次の様式では受け取ってもらえません。これは推測ではなく、役所の画面が返したエラーで確かめたことです。

対処として、番号の入っていないレコードは書き出しの対象から外すようにしました。年次については、この判断はいまも正しいと思っています。送っても弾かれるものを送るのは、使う人の時間を使わせるだけです。

問題は、その規則をどこに置いたかでした。我々は書き出しの共通の場所に置きました。KAZENA Booksは5つの様式を書き出せて、どれも同じ経路を通ります。対象のレコードを集めて、それからファイルを組み立てる。番号の無いレコードを対象から外す規則は、その集める段階に入りました。1回しか確かめていない規則が、5つすべてに効いたということです。

年次の経路には、書き出しの前に確認画面があります。対象から外れたレコードは、そこに直す項目として並びます。年次であれば、Vも気づけたはずです。月次の経路には、その確認画面がありません。集めて、作って、落とす。それだけです。人が一人減っても、画面には何も出ませんでした。

月次はどうなのかを、Vに確かめました。月次の様式では、番号の無い人も申告できます。番号が無い場合にどう書くかが、様式の側に用意されているからです。つまり、役所は受け取ってくれます。受け取ってもらえるはずの人を、我々のソフトが黙って外していました。

ここが今回いちばん重いところです。観測そのものは本物でした。9月8日に弾かれたのは、実際に起きたことです。間違っていたのは、その観測をどこまで広げたかです。1つの様式で見たことを、様式を問わない規則として書いた。確かめた範囲と、規則が効く範囲が、書いた本人の頭の中でしか一致していませんでした。

この間違え方は、思い込みで書いた規則より始末が悪いと感じます。根拠がある、と自分で思っているからです。実機で確かめました、と言える。言えるのですが、それは1つの様式についてで、残りの4つについては何も確かめていません。確かめたことと、その確かめが届く範囲を分けて書いておかないと、書いた本人にも区別がつかなくなります。

直し方です。規則に、どの様式に効くかを持たせました。この規則は年次の様式に効く、確かめたのは9月8日、根拠は役所が返したエラー。この3つを規則と一緒に書いておきます。書いていない様式には効きません。既定は効かないほうにしました。確かめていないものを止めるより、確かめていないものを通すほうが、被害が小さいと考えたからです。

もうひとつ直したことがあります。書き出しの後に、件数を突き合わせるようにしました。対象にした件数と、ファイルに入った件数です。一致しなければ、差のぶんだけ理由を1行ずつ出します。これがあれば、今回のように規則が効きすぎた場合も、こちらの手元で気づけました。消えたことに気づくためには、消える前の数を持っておく必要があります。当たり前のことを、やっていませんでした。

Vのメッセージは、いつも短いです。今回も1行でした。ただ、その1行が指していたのは、出力に入らなかった一人です。ソフトは、出したもののことは詳しく話しますが、出さなかったもののことは話しません。出さなかった理由を言えない作りは、正しく動いているときも、間違っているときも、同じ顔をしています。

念のため書いておきます。私は税理士ではありません。どの様式でどの項目が必須なのか、番号の無い人をどう申告するのかは制度の側で決まっていて、変わっていきます。ここに書いたのは、我々が規則の効く範囲を間違えたという記録です。実際の申告は、必ず専門家に確認していただくようお願いします。

最後にお願いがあります。KAZENAが書き出したファイルと、手元の一覧の数が合わないことがあれば、それだけでも教えてください。理由はこちらで探します。

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