まだご注文を1件も受けていない会社が作例のページを作ると、最初に困るのは見せる物が無いということです。実際にやった仕事が無いので、載せられる実績もありません。それでも見に来た人が知りたいのは、自分の商品をこの会社に頼むとどう見えるのか、という1点です。そこで我々は、存在しないブランドを9つ作って、その9つのための映像を作りました。何をどう決めたのかを書きます。
9つの内訳はこうです。新しいコーヒーを告知する Kopi Senja(飲食)、数字で成長を見せる orbita(フィンテック)、新型を発表する VOLTA(EV)、上質なブランドの印象をつくる LUMA(美容)、出演者を発表してチケットを売る SONIKA(音楽フェス)、体験を見せて予約につなげる Teluk Nusa(リゾート)、限定発売の期待を高める KAIROS(ストリートファッション)、新しい物件と間取りを紹介する ARUNIKA(不動産)、1回のトレーニングでアプリの働きを見せる PULSE(フィットネス)。この9つはすべて架空です。残りの2本は自社のもので、画面がダミーデータの自社製品 KAZENA Books と、自社のオリジナルアニメ NINJA-極- の告知映像です。
架空にしたのは、実在の会社を映したくなかったからです。名前やロゴを借りれば許可の話になりますし、借りずに有名な会社へ似せた物を作れば、見る人はその会社の映像として受け取ります。どちらも作例としては正しくありません。だから名前・ロゴの形・配色・画面に出す文まで全部こちらで作り、架空の作品には画面の隅に「架空のブランド・コンセプト作品」と出しています。
作ってみて気づいたのは、これが映像の作業ではなく、ブランドを作る作業だったということです。1本につき、名前、ロゴの形、色、書体、そして画面に出す1行の文を決めます。そして映像の出来を決めていたのは、動きの付け方よりも先に、この1行が決まっているかどうかでした。文が曖昧なままだと、どれだけ丁寧に動かしても、何の映像なのかが伝わりません。
だから9本には、目的を1つだけ決めて書いています。Kopi Senja は新しいメニューを告知して注文につなげる、orbita は数字で成長を見せる、ARUNIKA は新しい物件と間取りを紹介する、というように、1本に1つです。目的が1つ決まると、入れる場面がほとんど自動的に決まります。逆に目的を2つ入れようとすると、15秒にはどちらも入りきりませんでした。
いちばんはっきりしたのは、業種が変わると最初に見せるものが変わる、ということです。飲食では、飲み物そのものの質感が先です。湯気やカップの表面を見ないうちに値段を出しても、見る人には関係のない数字です。フィンテックでは逆で、数字が先でした。回る桁と、灯っていく地域の地図から始めています。不動産はまた違って、図面の線が建物に立ち上がり、そこから間取りへ入る順番にしました。同じ15秒を同じ構成で組める業種は、ひとつもありませんでした。
美容は、速くするより遅くするほうが難しかったです。LUMA は柔らかい光とセリフ体で、ゆっくり動かすように作りました。ただ、ゆっくりした映像は途中で見るのをやめられやすいので、速いカットを1つだけ入れています。好みの問題ではなく、強弱をどこに置くかの問題でした。
ファッションと音楽フェスでは、商品そのものより時刻が主役でした。KAIROS は限定発売なので、カウントダウンの数字が画面の中心にあります。SONIKA は出演者の名前が1つずつ灯って、最後にチケットが出ます。服の形やステージをきれいに見せるより、いつ何が起きるのかを間違いなく伝えるほうが大事でした。
最初に作ったのは4本だけでした。飲食、フィンテック、美容、それに自社製品です。並べてみて、これでは業種の幅が狭すぎると分かりました。見に来た人は、自分の業種が無い作例を見ても、自分の商品に置き換えられません。そこで6本足して、架空のブランドを9つにしました。足りなかったのは本数ではなく、業種の幅のほうでした。
架空の名前には限界もあります。こちらで考えた名前でも、世界のどこかに同じ名前の会社はあるはずです。だから名前だけに頼らず、ロゴの形・配色・文案を全部こちらで作り、画面に架空と書く形にしました。有名な会社の配色や書体に寄せることも避けています。それでも完全ではないので、実在の会社の方から近すぎると指摘があれば、その場で直します。
9つでも足りない業種があります。教育、医療、物流、建設。この9本は、そういう業種の人には何の証拠にもなっていません。正直に書けば、我々が今見せられるのは、この9つの業種ならこう見えるという範囲までです。業種を足すときは、映像を作る前に、その業種で最初に見せるものを決めてから作ります。順番を逆にすると、きれいだけれど何の映像か分からないものができます。
最後に今の状況を書いておきます。KAZENA Motion は、まだご注文・お見積り・お支払いを受けていません。動画制作の KBLI(事業分野の許可)を会社に追加する手続きの途中で、取れるまでこのページはご紹介だけです。載せている価格はすべて予定の価格です。受付を始めたときの知らせは、ページから頼めます。許認可については自社の手続きとして書いているだけで、私は弁護士でも税理士でもありませんので、ご自身の事業の登録については専門家に確認してください。
あなたの声を聞かせてください
KAZENAのアプリを使った感想、直してほしいところ、「こんな機能が欲しい」という提案——インドネシアやフィリピンの中小企業オーナーさん、フリーランスの方の声こそ、私たちが一番聞きたいものです。インドネシア語・英語のメッセージには、現地を知り尽くした仲間が応えます。また、KAZENA Booksはフィリピンとインドネシアでの展開がすでに決まっています。それ以外の国で一緒に展開してくださるパートナー企業様、システムのご購入をご検討の企業様も、お気軽にご連絡ください。新しいシステム開発のご相談もお受けしています。少人数のチームのため、すぐの着手をお約束できないこともありますが——日本品質(メイド・イン・ジャパン)のものづくりで、現地の商売に寄り添う開発を、一件ずつ丁寧に。
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