商品の説明は、もう書いてあります。材料も、大きさも、使い方も置いてある。それでも、その商品がよい物だということは、文章のどこにも入りきりません。手に取れば半分も見ないうちにわかることが、文字にすると長くなり、長くすると読まれません。文章だけでは商品のよさが伝わりにくい、というのはそういうことだと思います。
私たちも、自分の作例で同じことをやりました。KAZENA Motion のページに置いてある15秒の映像は、動画のファイルではなく、ブラウザの中で HTML・CSS・JavaScript で描いています。最初の版は、全部をその描いた図形で作っていました。コーヒーのカップも、湯気も、海も、部屋も、線と面と色の重なりです。並べると整っていました。整ってはいましたが、コーヒーがコーヒーに見えませんでした。
そこで、本物の写真を入れることにしました。作例11本のうち7本です。飲食の Kopi Senja、フィンテックの orbita、音楽フェスの SONIKA、フィットネスの PULSE、リゾートの Teluk Nusa、ストリートファッションの KAIROS、不動産の ARUNIKA。入れた写真は全部で40枚、幅1280pxの WebP に変換して置きました。
どの写真を使うかより先に、どの写真を使わないかを決めました。1つは、無料のライセンスで配られている写真だけを使うこと(Unsplash の無料の範囲です)。もう1つは、実在のブランド・会場・アーティストが写っている写真は、きれいでも外すことです。架空のブランドの映像に実在の会社のロゴが写ると、見た人はその会社の映像として受け取ります。作例としてそれは正しくありません。使った写真の出典は一覧にして社内の資料に残し、映像の隅にも写真を借りている旨を出しています。
いちばん大きく変わったのは Kopi Senja です。この1本は直したのではなく、全部書き直しました。CSS で作ったカップをやめて、写真を短く切りかえていく形に替えました。あのカップには時間をかけていたので、消すのは少し惜しかったです。けれども、描いたカップと写真のカップを並べて見れば、どちらが飲み物に見えるかは議論になりませんでした。
写真を入れると、すぐに別の問題が出ました。写真の上に文字を置くと、文字が読めません。白い文字は明るい場所で消え、黒い文字は暗い場所で沈みます。そこで、映像の部品に写真を扱う仕組みを足しました。時間に合わせてゆっくり寄る・流す、暗くする、色を重ねる、白黒にする、ぼかす。それと、時間帯ごとに写真を切りかえる背景です。
そのうち、最後まで手でやることになったのが暗さです。全部に同じ暗さをかける設定を1つ置いて済ませたかったのですが、それでは合いませんでした。明るい写真は、同じだけ暗くしても文字が沈みますし、もともと暗い写真は、暗くするとただ濁ります。結局、1枚ずつ暗さを決めました。ここで分かったのは、文字が読めるかどうかは、文字の大きさや色よりも、選んだ写真が暗くされることに耐えるかどうかで決まる、ということです。
確かめ方も決めました。1本につき10コマ、パソコンの画面(1440×900)とスマホの画面(390×844)の両方で撮って、順番に見ます。見るのは4つです。写真の上の文字が読めるか。スマホで文字や写真が切れていないか。写真の読み込みの間に最初のコマが空にならないか。作例欄に出る代表のコマがよい場面か。どれも、目で見ないと分からないものでした。
ここまでは自分たちの作業の話ですが、商品の写真を使う人にも同じことが起きると思います。描いた絵や飾りの多い画像より、その物を撮った1枚のほうが伝わるのは、見る人が「この物は実際にある」と受け取るからです。そして、その写真に文字を載せるつもりがあるなら、写真を選ぶときに、暗くしても崩れないかを一緒に見ておくと、あとが楽になります。
ご用意いただくものも、同じ考えで決めています。商品の写真は、スマホで撮ったもので作れます。背景の切り抜きと明るさの補正はプランの中で私たちが行い、撮影には伺いません。アプリなら画面のスクリーンショットで足ります。プロの写真を先に用意しないと頼めない、ということにはしたくありませんでした。
伺うのは、商品のことと、いちばん伝えたいことを1つだけです。言葉にまとまっていなくて大丈夫です。構成と文案は私たちが考えて、すべての場面を静止画の絵コンテでお見せし、承認をいただくまで動かしません。動画で売上が上がるとは約束できません。約束できるのは、いちばんの魅力を1つに絞って、文章を読まなくても数秒で伝わる形にすること、までです。
もし今、商品のよさが文章だけでは伝わらないと感じているなら、まず、飾りのない1枚を撮ってみてください。今ある光のままで、その物だけを。説明を1文足すより、見ればわかる1枚があるかどうかのほうが、だいぶ効きます。私たちが40枚でやったのは、結局そのことの確認でした。
最後に今の状況を書きます。KAZENA Motion は、ご注文・お見積り・お支払いをまだ受け付けていません。会社に動画制作の KBLI(事業の許可)を追加する手続きの途中で、取れるまでページはご紹介だけです。出ている金額はすべて予定の価格です。受付を始めるときの知らせは、ページから頼めます。許認可のことは自社の手続きとしてだけ書いています。私は税理士でも弁護士でもないので、ご自身の事業の登録や写真の使い方については専門家に確認してください。
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KAZENAのアプリを使った感想、直してほしいところ、「こんな機能が欲しい」という提案——インドネシアやフィリピンの中小企業オーナーさん、フリーランスの方の声こそ、私たちが一番聞きたいものです。インドネシア語・英語のメッセージには、現地を知り尽くした仲間が応えます。また、KAZENA Booksはフィリピンとインドネシアでの展開がすでに決まっています。それ以外の国で一緒に展開してくださるパートナー企業様、システムのご購入をご検討の企業様も、お気軽にご連絡ください。新しいシステム開発のご相談もお受けしています。少人数のチームのため、すぐの着手をお約束できないこともありますが——日本品質(メイド・イン・ジャパン)のものづくりで、現地の商売に寄り添う開発を、一件ずつ丁寧に。
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