KAZENA Booksの源泉徴収の画面には、年初からの累計、という欄があります。そこに出ている数字は、正しく計算されていました。ただ、それが何から計算された累計なのかを、画面は一度も言っていません。私たちの帳簿に記録された支払だけ、です。年の途中から使い始めた人にとって、その累計は、年初からではありませんでした。
教えてくれたのはVです。ジャカルタの会計士で、自分の事務所の実データでKAZENA Booksを20回以上試してくれています。8月19日に届いたのは、彼女の手元の表と、私たちの画面を並べた画像でした。同じ相手への同じ支払について、天引きの額が6,000,000ルピア違う。どちらが正しいのですか、と彼女は書いていました。正しかったのは彼女の表のほうです。
数字を書きます。その相手には、3月に90,000,000ルピア、8月に120,000,000ルピアが支払われていました。3月の支払は、この帳簿がKAZENAに移ってくる前のもので、私たちのデータにはありません。年間の累計は210,000,000ルピアですから、累進の税率で計算すると、年間で25,500,000ルピア。3月までに天引きされているのが7,500,000ルピアなので、8月に引くべきなのは18,000,000ルピアです。私たちの画面は12,000,000ルピアと出していました。8月の支払を、その年の最初の支払として扱っていたからです。
ソフトは計算を間違えていません。持っているデータの範囲では、算術は正しい。間違っていたのは、その数字に付けた名前のほうです。年初から、と書いた瞬間に、それは暦の話になります。暦は世の中のもので、私たちのデータベースのものではありません。手元にあるものを数えて、世の中の名前を付けたわけです。
数えました。試用中の帳簿のうち、源泉徴収の機能を使っているのが61件。そのうち、年の途中から使い始めた——最初に記録された支払が1月1日より後——のが23件です。この23件の中で、切り替えの前と後の両方に支払のある相手がいるのが9件。影響のある証明書は34件で、天引きの不足は合わせて41,200,000ルピアでした。
移行だけの話ではありません。支払が私たちのデータの外に出る道は、ほかにもあります。別の拠点が現金で払って、あとから紙で回ってくるもの。同じ会社が事業ごとに帳簿を分けていて、相手が両方に登場するもの。記帳が追いついていない期間の支払。私たちのソフトが見ているのは、記録されたものだけです。記録されていない支払は、存在しないのではなく、見えていないだけでした。
設計として何を間違えたのかは、はっきりしています。計算して出す数字には、必ず範囲があります。その範囲を、ソフトは知っていました。知っていて、言わなかった。試験用のデータも同じ形をしていて、私たちが作った検証用の帳簿は、どれも1月から始まっています。年の途中から始まる帳簿を、私たちは一度も作っていませんでした。
報告が来なかった理由も書いておきます。この数字は、間違った顔をしていません。桁も、書式も、合計の行も、すべて整っている。前の月の数字とも矛盾しません。中で辻褄の合っている数字は、外と突き合わせないかぎり誰にも見つけられない。Vが見つけられたのは、彼女が自分の表を別に持っていたからです。ソフトだけを見ていたら、たぶん誰も気づきませんでした。
直しました。累計の欄の下に、その累計が何からできているのかを1行で出します。この帳簿に記録された支払だけを数えていること、そのうち最初のものがいつの支払なのか。最初の支払が1月1日より後であれば、その行は色を変えて、それより前の支払があるなら入れてください、と促します。相手ごとに、切り替え前の累計額と、すでに天引きされた額の2項目です。入れないままでも先に進めますが、入れなかったことが画面に残るようにしました。
その1行の最初の案は、仲間のEに書き直してもらいました。彼はジャカルタから少し離れた町にいて、こういう文をいつも現地の言葉で読み返してくれます。私の案は、この累計はKAZENAのデータに基づきます、という書き方でした。それだと、根拠が確かだという意味に読める、と彼は言いました。言いたいのは逆です。いまは、この帳簿に記録されていない支払は含まれていません、と書いてあります。同じことを言っているようで、読んだあとに何をするかが変わります。
34件については、対象の一覧と、正しい金額の計算根拠をお送りしました。すでにCoretaxに提出したものは、訂正の手続きが要ります。手続きをするのも、不足分を納めるのも、遅れた分の負担があるとすればそれを負うのも、私たちではなく、その事業者です。こちらが黙っていた1行が、相手の手間と金額になって出ていく。ここは、正直に書いておくべきところだと思いました。
念のため書いておきます。私は税理士ではありません。源泉徴収の計算は相手の資格や契約の形で変わりますし、訂正の手続きにも決まった作法があります。ここに書いた数字は、仕組みを説明するための例です。心当たりのある方は、年の途中から使い始めた帳簿で、切り替えより前の支払を一度確かめてください。最終的な判断は、必ず専門家に確認していただくようお願いします。
ついでに、画面に出している合計を全部見て回りました。データの範囲より広い期間を名乗っている数字が、KAZENA Booksの中に7か所ありました。いまは7か所とも、何を含んでいないかを自分で言います。数字は、正しいか間違っているかの前に、どこまでを見て言っているのかを名乗るべきです。もしKAZENAのどこかで、合計が思っていたより小さかったら、教えてください。足りないのは、たぶんあなたの記録ではありません。
あなたの声を聞かせてください
KAZENAのアプリを使った感想、直してほしいところ、「こんな機能が欲しい」という提案——インドネシアやフィリピンの中小企業オーナーさん、フリーランスの方の声こそ、私たちが一番聞きたいものです。インドネシア語・英語のメッセージには、現地を知り尽くした仲間が応えます。また、KAZENA Booksはフィリピンとインドネシアでの展開がすでに決まっています。それ以外の国で一緒に展開してくださるパートナー企業様、システムのご購入をご検討の企業様も、お気軽にご連絡ください。新しいシステム開発のご相談もお受けしています。少人数のチームのため、すぐの着手をお約束できないこともありますが——日本品質(メイド・イン・ジャパン)のものづくりで、現地の商売に寄り添う開発を、一件ずつ丁寧に。
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