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既定値が、まだ日本を選んでいた

2026年8月26日 · Taro(KAZENA代表)

6月に、KAZENA Booksを提供する国から日本を外しました。申込みの画面にある国の一覧からも、日本は消えています。それなのに、そのあとGoogleのボタンから作られたアカウントは、日本の帳簿として生まれ続けていました。6月1日から8月の半ばまでに47件、そのうち41件が、通貨も勘定科目も会計期間も日本のままです。

気づいたのは仲間のEです。彼はジャカルタから少し離れた町にいて、現地の人に渡す前に、必ず自分の端末でアカウントを作って一通り触ります。別の確認のためにGoogleのボタンで新しく作ったところ、最初の入力画面で、金額の欄の横に出ているのがRpではなく¥だった。届いたのは1行でした。新しく作ると、通貨が円になります。

国は、申込みのときに選ぶ1項目にすぎません。ただ、その1項目が決めるものは多い。通貨、勘定科目の一覧、税率の既定、会計期間の始まる月、日付の書き方、源泉徴収の様式。使う人から見れば国名を選んだだけですが、ソフトの側から見れば、帳簿の骨格をそこで決めています。

入口が2つありました。申込みの画面から入る経路と、Googleのボタンから入る経路です。画面のほうには国の選択があり、そこから日本は消してあります。Googleの経路は、その画面を通りません。アカウントを作る関数を直接呼んでいて、その関数の国の引数には、既定値として日本が書いてありました。創業のころ、日本向けに作っていたときの名残です。

弁解はしません。私は、見えている一覧から日本を消した時点で、この作業は終わったことにしていました。店先の札を替えて、倉庫の中身を確かめなかった。既定値というのは、誰も選ばなかったときのために、私が過去に代わりに選んでおいた選択です。それを消し忘れるというのは、古い自分の判断を、今日の利用者に黙って適用し続けるということでした。

中身を数えました。41件のうち33件は、まだ伝票が0件です。残りの8件には伝票があり、合わせて126件。うち1件は3か月ぶん記帳が進んでいました。金額の欄に打った数字はそのまま保存されるので、1,500,000と入力した支払いは、その帳簿の中で1,500,000円として扱われています。桁は同じで、意味だけが違う。

記号は目立つので、円のマークにはいずれ誰かが気づきます。誰も気づかなかったのは会計期間のほうでした。日本の既定は4月始まりです。インドネシアの暦年は1月から12月ですから、画面の「今期」は、本当の今期とずれた範囲を集計していました。足し算は正しくて、足す範囲だけが違う。税率の既定も10%のままで、11%ではありませんでした。

問い合わせは、来ていたのです。6件は使う人が自分で設定を直していて、そのうち4件からは、通貨はどこで変えられますか、という質問が届いていました。私たちは変え方を丁寧に答えました。答えとしては合っています。ただ、その質問の裏で何が起きているのかを見ていませんでした。問い合わせは症状の報告であって、原因の報告ではありません。同じ質問が4件続いたら、それはもう質問ではなく不具合です。

事務所の近くの食堂でもらうレシートは手書きで、金額に通貨の記号が付いていないことがあります。書かなくても、その場にいる全員がルピアだと知っているからです。既定値が成り立つのは、そういうときだけです。文脈を全員が共有していれば、省略は親切になる。ソフトウェアには、その場がありません。誰がどこから入ってくるか分からないものに既定値を置くのは、省略ではなく、代わりに決めることです。

直しは、ほとんど削除でした。関数から既定値を消して、国を必須の引数にしました。渡さなければアカウントは作れません。これだけで、国を渡していない呼び出しが3か所見つかりました。Googleの経路には、最初の帳簿を作る前に1画面だけ質問を置いています。国を選ぶまで、まだ何も作りません。聞くのは1回だけで、あとから設定でも変えられます。

すでにあるアカウントは、こちらで勝手に書き換えませんでした。伝票が0件の33件は、設定だけを作り直しています。伝票のある8件には、いま入っている数字と、国を変えると何がどう変わるのかを一覧にして送り、決めてもらっているところです。黙って直すと、昨日まで見えていた数字が、今日は違う数字になります。それは修正ではなく、2回目の事故です。

念のため書いておきます。私は税理士ではありません。国の設定は税率と申告の様式を決めるので、この状態のまま作った書類は、そのままでは使えない可能性があります。心当たりのある方は、出したものをもう一度確かめてください。最終的な判断は、必ず専門家に確認していただくようお願いします。

いま私は、既定値を書きそうになるたびに、これは誰にとっての既定かと一度だけ考えます。中立に見える既定値はありません。あるのは、作った人が慣れている側に寄った既定値だけです。もしGoogleのボタンで作ったKAZENAのアカウントで、通貨や会計期間が思っていたものと違ったら、教えてください。直せます。あなたが最初に見た画面が円だったのは、あなたの操作のせいではありません。

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